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TOP>昆虫少年広場>5ネグロスギラファの羽化


   平成23年9月28日/10月3日       ネグロスギラファの前蛹幼虫




■H23 9月27日 午後9時に撮影@  



■H23 9月27日 午後9時に撮影A  

この状態を前蛹幼虫(前蛹期)と言います。
この状態をお見せしたくてまたまた人口蛹室なるも
のに前蛹期寸前の幼虫を入れてしまいました。
丸まるのが好きだった幼虫は、黄色く色づき始める
と蛹室を造り始めます。蛹室が完成すると毎日少し
づつ身体が小さく縮みだし、やがてこの様な状態に
なって体の内では大変なことが起こり出すのです。
何故なら地虫からクワガタ虫へと大きく異なった生
物に生まれかわる準備が始まるのですから。
右のAは腹を動かしたところです。この程度です。



完全に前蛹期に入ったのは9月26日の昨日です。
この時期でも腹だけは辛うじて動かすことはできま
す。 これは蛹の状態でも腹は動かすことができま
すから、私の考えでは前蛹期の腹の筋肉は脱皮後
の蛹にまで引き継がれているようです。 
しかしアゴや6本の脚は動きません。もうアゴや脚を
動かしていた筋肉と神経はどろどろに溶けてしまっ
て、次の段階の蛹の身体に吸収されたのでしょう。
このように前蛹期は幼虫と親とは全く姿の違う、
昆虫たちにとってとても大切な時間なのです。



■今回の人口蛹室は「オアシス」という切花に使う保水材を利用して製作した物です。百円ショップの園
芸コーナーで簡単に手に入ります。軟らかく非常に加工し易いので慣れると小さな蛹室なら数分程度で
造れます。※人口蛹室は必ず綺麗に孵ると云えば嘘になります。残念ながらリスクは避けられません。










■10月03日午後10時10分頃に撮影 B
数時間前に脱皮をして蛹になったネグロスギラファ
昨日、帰宅する際に確認した時はまだ前蛹幼虫だ
ったのですが、今日、覗いて見ると既に脱皮を済ま
せて蛹になっていました。またやられてしまいました
。脱皮の瞬間を撮影することは出来ませんでした。
皮を脱いだばかりの時は、凄く光沢があってまるで
ガラス細工の様に美しく思います。



■10月03日午後10時10分頃に撮影 C
これは脱ぎ捨てられた幼虫の皮、抜け殻です。
頭と背中がパックリ割れているのがよくわかります
ね。実は私も子供のころ寒い時期は毎朝、脱皮を
繰り返していました。布団から出て着替えるのが嫌
で、パジャマを布団の中で脱いで、学校に行く為の
洋服に着替えていたのです。この行為を私は脱皮
と呼んでいました。この頃、何故か脱皮に憧れてい
たんですね。でも実際には気がついたら昆虫少年
のままでした。子供の殻を被れませんでした。
白く糸のように見えるのは、幼虫の時期に使ってい
た気管です。抜け殻の気門としっかり繋がっていま
す。この太い管は数ミリから1センチ程に見えます。
その先で細く枝分かれして、私たちの血管のように
全身を隈なくはしっています。この気管を通って酸
素が全身の細胞に送られているのです。3齢初期、
皮膚がまだ薄く透けている時期などは、皮下に白い
草の根のようなものがはしっているのが見えます
。機会があればじっくり観察してみてください。
写真:ネグロスギラファ3齢幼虫 10月3日撮影
幼虫の頭右側の小豆色をした楕円形の小さなもの
が気門です。後は2つ節をとばして一節に1つずつ
気門が並んでいるのが判りますね。


平成23 11月18日   ネグロスギラファの前蛹幼虫の観察の続き(室温約23℃で管理)



■11月04日 昼・12時頃に撮影 D
頭部と脚が薄い皮膚を通して、もう確りと見てとれる
。 脚先の腑(ふ)節をゆっくりと動かしだし、羽化が
近づいたことを知らせている。 頭部と脚の皮膚が
硬くなり、そして筋肉が充分に完成して、初めて脱
皮の際に身体を支えることが出来るのです。





■11月05日 午後1時30分に撮影 E
確認した時には、既に数時間程前より脱皮は始ま
っていて、丁度、下翅を懸命に伸ばしているところ
でした。 白いパイプの様な物は、蛹時に酸素を取
り込んでいた気管の一部。 まだ頭部は蛹の時の
ように、お辞儀をした状態の折り曲げたままです。





■11月05日 午後2時40分に撮影 F
皆さんに見せて上げたくて、ネグロス♀くんの迷惑
もかえりみず、丁重にひっくり返ってもらいました。
からだの裏はこんな感じになってます。 


 



■11月05日 午後5時41分に撮影 G
上翅が、かき色に色づくと、やっと頭を上げました。
透けていた下翅も、きれいに伸びて色づきました。
やれやれ、♀くんも、ひと安心したことでしょう。





■11月05日 午後8時30分に撮影 H
下翅が、上翅の中にきれいに納められた。
上翅は、さらに色濃くなったが、やや透けていて、
折り畳まれた下翅が薄っすらと確認できる。





■11月11日 午後3時30分頃に撮影 I
羽化の日から6日目、腹もきれいに上翅に収まって
いる。 この時期、裏返っていることが多いが、脚の
筋肉に余計な負担をかけるのを避けているのか?





親♂体長約110ミリの画像です。 昨年、店頭にて展示していました。 ご存知のお客様も多い
ことかと思います。 撮影にはストロボを使用。 画像上の方に写っているノギスは110ミリに
合わせてあります。 発送をご希望のお客様に参考として大きな画像で紹介させて頂きました。
H24 10月16日撮影 




H24 10月16日撮影 ♀50ミリ


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